10月1日、狂言を観に行ってきました。
人間国宝の野村萬さんの一門の方々が出演する「萬狂言 秋公演」です。
場所は、後楽園のすぐそばの宝生能楽堂。
4つの演目が上演されました。
「萬狂言」とはご縁があって、年に数回、舞台を観にいきます。
狂言は、会場や雰囲気は厳かなのですが、演じられる内容は、とても気さくなもので、観ていて楽しめます。
人間のもつ面白みの部分がクローズアップされて演じられ、すなおにおもしろく感じます。
言葉使いは昔のものですが、語っている内容は、今でも日常で、言ったりやったりしていることと同じ。昔も今も人の中身は変わらないのだなあ と、しみじみ思います。
今回の公演も、意地の張り合い、怠けの言い訳 といったテーマの演目「膏薬煉(こうやくねり)」「しぼり」が、純粋におもしろく楽しめました。
「朝比奈(あさいな)」という番組では、恐ろしいイメージのある閻魔さまが、腹を空かせたり人間である武士に呆気なく負けたりと、哀れで、その弱々しさがユーモラスでした。
しかし、中でももっとも印象に残ったのは、野村萬さんによる「奈須与市語(なすのよいちのかたり)」です。
ひとりきりで、語りと動きだけで演じられます。
ずんずんと心に響いてくる言葉と、大げさではないのに迫力を感じさせる動き。圧倒されました。
あとでパンフレットを見ると、これが最後の上演になるかもしれない と書かれており、それはまったくもって惜しいこと と、とても寂しく思いました。
年に数回の、ほんの数時間のあいだですが、狂言を観ている時は、いつもと違う風雅な世界に浸れます。
自分をリセットする大切な時間です。
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